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2021年1月30日

【社長の徒然草:1号】荒れた厳しい冬に美味しさを増す魚たち

 やはり、北の冬は素晴らしい。周囲360度の白い雪景色としばれる空気はこの時しか味わえない。荒れた冷たい海で揉まれた魚は美味しさを増すのであろうか。我々の舌を最も楽しませてくれるのもこの季節である。
 札幌の中心部から車で15分も行ったところにある札幌中央卸売市場を以前に訪れた時のことだ。我々のパートナー(札幌市場№1の仲卸)に案内されたせり場には、毛ガニ、タラバガニは勿論のこと、アンコウ、タラ、タコ、カレイ、メヌケ、キンキ、ソイが山と積まれ、北海道特産の八角、カジカ、カスべといった魚でごった返していた。これらの魚種に関しては、”扱い量世界一の豊洲市場”といえども比べものにならない程の種類と入荷量である。
 そんな冬の北海道の魚の中で特に美味しかったものと言えば、小樽の寿司屋で食べたとれたてのキンキの刺身と鮭児の刺身である。鮭児とは未産卵の若い鮭で、何万本に一本しかとれず、値段も普通の鮭の20倍という代物だ。味は鮭鱒特有の臭みも一切なく、さっぱりしているが脂が適度に乗って実に美味であった。キンキや鮭児といった高級魚を最近ではフレンチの世界でも取り入れて料理を作るシェフが登場してきている。新しい味わいが増えた感がある。
 海が荒れ厳しい冬と言えば、北陸金沢も負けてはいない。冬の金沢港には、荒れる時化の合間を抜うように、能登の寒ブリ、活け甘えび、白身の最高峰ノド黒、甘ダイ、幻の魚アラといった目を見張る鮮度の近海高級魚が水揚げされる。更に北陸の冬で忘れてならないのは11月から3月まで解禁となる加能カニ(ズワイガニ)である。なるほどその味は、身も味噌も繊細で品が良く極上である。山陰では松葉ガニ、福井では越前ガニと地元それぞれの呼び名で珍重されるこのカニは、一度食べたら病みつきになること請け合いだ。  代表取締役社長 柿澤克樹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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