What's New

2021年3月17日

【社長の徒然草:2号】春の”イキ”を食べる

 春は”生命の息吹”そのもの。魚にとっても華やかで”イキ”な季節の到来である。
江戸前の春は、早春美人のサヨリ、春告魚といわれる白魚、内湾の底魚アイナメ、マコカレイ、そして初カツオに代表される。黒潮に乗って北上するカツオの群れは、3月になると房州沖に姿を現す。引縄(引っ張り)という漁法の最上級の初カツオは1㎏3000円の価値がつく。「カツオは真水に漬ければ見た目はよくなる。しかし本当に味が良いのは海水に漬けた物で、色もくすんで見える。」と私どもの荷主勝浦丸ヨ水産の社長は言う。この時期のカツオは脂の乗りよりも、身の色・味・鮮度が決め手。春の”イキ”を食べるものなのだ。
 北陸の春は、冬の厳しい時化があけ、磯魚の賑わいで訪れる。メバル、カサゴをはじめとする磯魚がおいしくなる季節である。日本のサケ、マスの中で最も美味とされる身の太った桜マスも、この時期に獲れる。夜、水揚げされたばかりの鮮魚が翌朝東京の店先へ着くと、箱の上に敷かれた氷の上でピクピクと動くほど鮮度が良いのだ。和食でも洋食にしても抜群においしいのである。
北陸の春を代表するものにもうひとつ蛍イカがある。朝2時、滑川の暗い海を小舟は出航する。ほんのわずか走った所で漁は行われる。蛍イカは3~6月に産卵のため湾の浅瀬に集まる。網を引き上げると、海の上にはまるで青い宝石を散りばめたかのような神秘的な光景が拡がる。蛍イカのロゴ入りジャンパーを着て、一晩中熱く語るカネツル砂子商店の社長は昔、私にこう語った。「鮮度の良い”生”の蛍イカを、目の前の沸騰したお湯に1匹ずつつまんでしゃぶしゃぶ風に食べる。地元でのこんな食べ方を都会の人々にもぜひ味わってもらいたい。」

  代表取締役社長 柿澤克樹

前のページにもどる

▲このページのトップへ

最近の記事

年別表示