What's New

2021年7月1日

【社長の徒然草:4号】海水と淡水の妙

 白身魚の王様といえば、冬は何といっても「ヒラメ」である。それらが夏にかけて暖かくなると、日を追うごとに身が厚くなる「マコガレイ」に変わる。
 マコガレイは全国広範囲に分布する。中でも最も高値を呼ぶのが大分県日出(ひじ)町の”松下カレイ”である。分類上は普通のマコガレイであるが、そのカレイは他のものとは色合いを異にする。今から20年ほど前に私は大分を訪れた。日出という小さな駅で電車を降りて、日出城址のすぐ下の波の静かな湾にそれはいた。その名の通り、城の下のごく一部の狭いところに定置網が仕掛けられ、毎日ほんの少ししか水揚げされないという。
 一般のマコガレイと何が違うのであろうか?大分別府湾の海水と、城の下から湧き出る清水と混じりあうその環境である。その身は青く透き通り、まるで水晶のように輝き、肝と一緒に大分名産のカボスを絞って食するそのカレイの味は格別である。海中に湧く清水の故、一切の泥臭みがなく、極めて上品で淡白な味わいとなるのであろう。
 梅雨が明けると江戸前「アナゴ」は”つゆあなご”と呼ばれ、旬の季節を迎える。雨水を多く含み、塩分の薄くなった海水をたっぷり飲んで育った東京湾のアナゴは、時期が最も美味しくなるという。
 日本海の「桜マス」は、ヤマメの海遊型として知られているが、これも特によいものは、秋田では米代川・雄物川、山形では最上川、新潟では阿賀野川・信濃川、富山では神通川・庄川といった大きい川の河口周辺で獲れるという。秋田や新潟では海から川に遡上するものを分けて”川マス”と呼んで珍重している。
 海水と淡水(それもできるだけ澄んだ綺麗な水)が混じり合うところ・・・。そこには美味しい魚を作る謎が潜んでいるのだ。
  代表取締役社長 柿澤克樹

前のページにもどる

▲このページのトップへ

最近の記事

年別表示